ホットフラッシュやイライラ、不眠など、体や心の変化に戸惑う更年期。女性ホルモンの減少による体力や肌質、睡眠などのさまざまな不調を感じている方もきっと多いのではないでしょうか。自分自身の変化に不安を抱えたりしやすい時期ですが、更年期を乗り越えるためには、規則正しい生活を意識し、心身を健やかに保つためのセルフケアを取り入れることが大切です。今回は、更年期に意識したい、３つの生活の柱について見ていきましょう。
規則正しい生活を送るための基本的な3つの柱
【1】更年期を乗り切るための食生活：栄養バランスを意識してみよう
日々の食生活では、栄養バランスのよい食事を目指しましょう。糖質（炭水化物）、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルの５大栄養素と、６番目の栄養素ともいわれている「食物繊維」も併せて、バランスよく摂るように意識します。食材の数や色を意識すると、自然とバランスが良くなりますよ。
また、食事だけでは必要不可欠な栄養素量の摂取が難しいこともあります。その場合は、サプリメントの導入を選択肢に加えてみても良いでしょう。
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５大栄養素＋６番目の栄養素の食品例
・炭水化物（エネルギー源）：米、全粒粉パン、玄米
・タンパク質（体の構成要素）：肉類、大豆製品
・脂質（エネルギー源＆ホルモンの材料）：オリーブオイル、アボカド、ナッツ類
・ビタミン（体の調子を整える）：柑橘類、豚肉、ナッツ類、豆類など
・ミネラル（体の機能を維持）：乳製品、レバー、牛肉、小魚、ほうれん草、小松菜
・食物繊維（腸内環境を整える）：きのこ、海藻、玄米、野菜
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【2】更年期を乗り切るための睡眠：心身を休息させ、ホルモンバランスを整える
睡眠とホルモンは切っても切れない関係性にあります。例えば、寝ている時に分泌される「成長ホルモン」は、細胞を活性化させる他に、代謝を促進する働きがあります。毎日忙しくても睡眠時間だけは確保したいものですね。
また、朝に太陽の光を浴びることで分泌されるホルモンの「セロトニン」は、体内時計をリセットし、体を活動モードに切り替えます。夕方頃になると、日中分泌されたセロトニンをもとに睡眠にとって重要なホルモン「メラトニン」の分泌が始まります。毎日同じ時間に寝起きしたり、適度な運動をしたり、寝る前の１時間はスマートフォンに触らない、昼寝は30分以内にとどめることで、良質な睡眠に近づくことができます。
【3】更年期を乗り切るための運動：心身をリフレッシュして健康維持をサポート
体力や筋力の低下を感じやすい更年期は、ウォーキング（有酸素運動）がおすすめです。体をしっかり動かすことで血液循環がよくなり、骨にまで栄養が行き渡るようになって骨の代謝（骨の生まれ変わり）や骨粗鬆症の予防につながります。
また、肺で十分に取り込んだ酸素を心臓で十分に循環させることで、心肺機能の向上も期待できます。その結果、息切れや疲労が軽減され、肩こりや腰痛、むくみなどの症状が起こりにくくなるとされています。なお、日中に同じ姿勢を長時間続けると体が硬くなり、関節がこわばったり筋肉が縮こまってしまいます。
体のコリを感じた際やウォーキング前、お風呂からあがった後などに、ぜひストレッチを取り入れてみてください。縮こまった筋肉をほぐしたり伸ばしたりすることで、体の柔軟性を保つことができますよ。
心を鎮める瞑想でストレスを軽減しよう
瞑想とは心を鎮めて無心になることです。呼吸に集中する瞑想は、ヨガをはじめここ数年の間で少しずつ浸透し、企業のウェルネスケア等に採用されるなど広がりを見せています。今回は自宅でいつでも好きな時にできる、瞑想で心を整えるセルフケアについてご紹介します。
＜瞑想の簡単３ステップ＞
1.あぐらをかいて座り、両手をももの上に置く
2.手のひらを軽く丸めて手のひらは天井に向ける
3.目を閉じて鼻から息を吸い、口から息を吐くように深呼吸をする
深呼吸は自分が気持ち良いと感じられるペースで行っても良いですし、ゆっくりと4秒間吸って、8秒間かけて吐く方法も効果的。
なお、雑念が浮かんだら意識を呼吸に戻すよう意識してみましょう。慣れない場合は瞑想時の呼吸を誘導するスマートフォンアプリや、タイマーなどを併せて活用するのもおすすめです。
おわりに
更年期は、女性にとって大きな変化を迎える時期です。ホルモンバランスの変化によって、さまざまな体の変化や心の負担を感じやすくなります。そんな時でも、心と体を整える方法を持つことで、心強く感じられるのではないでしょうか。これらの方法を参考に、自分自身をいたわり、心と体の声に耳を傾け、心身ともに健やかに過ごしましょう。
